僕は統合失調症

30歳の時に発症した統合失調症の発病・入院・回復の記憶

2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

香織と過ごしたクリスマス

開放病棟では、まず他の患者など同伴者と一緒の外出が許可され、続いて単独での外出、自宅への外泊の段階で、病棟の外に出ることが許される。クリスマスが近づき、僕はH先生に、外泊の許可を求めたが、それにはまだ時期が早かった。結局、親が送り迎えするな…

T文庫のアデン・アラビア

ぼくは二十歳だった。それが人生でもっともすばらしい年齢だなどと、ぼくはだれにもいわせはしない。 病棟のホールの片隅のT文庫と呼ばれる図書コーナーでポール・ニザンの文庫本、「アデン・アラビア」を見つけ、その書き出しの一節に惹きつけられた。僕は3…

夜露死苦現代詩②

都築響一は統合失調症の詩人、友原康博氏について書いた章でこのように述べている。 友原さんが発病した当時、精神医療はいまよりはるかに未発達だった。効果的な薬剤も開発されておらず、世間から隔絶された精神病院の内部では、治療という名のもとに監禁、…

夜露死苦現代詩 都築響一

夜露死苦現代詩作者: 都築響一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/08/30メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 33回この商品を含むブログ (61件) を見る 夜の国道を走る。ヘッドライトに照らされた歩道橋に、スプレーで殴り書きされた「夜露死苦」の文字が…