僕は統合失調症

30歳の時に発症した統合失調症の発病・入院・回復の記憶

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

年賀状を描けなかった年

はやばやと年賀状のデザインを作ってしまった。来年は亥年。イノシシの画像を使おうと思ってひらめいたのが、映画「スウィングガールズ」。上野樹里たちが山で松茸狩りをしていて、イノシシに追いかけられる抱腹絶倒のシーンがある。大量の鼻水をたらしなが…

香織との面会

T病院は外来診療も行っているが、診療のない平日・土曜の午後と日曜日には、入院患者も自由に外来の待合室ホールに行くことができる。患者たちは気分転換に椅子に座って話しをしたり、煙草を吸ったり、自販機でジュースを買って飲んだりしていた。面会もその…

情緒不安定と多弁

入院した時点で、絶え間のない幻聴はすでにおさまっていた。次々に湧き出す妄想も勢いを失っていた。しかし、抗精神病薬が投薬後効果をあらわすのには、2週間はかかるといわれている。僕の場合も陽性症状(幻覚や妄想)がすっかりなくなるまでには入院後もし…

ハルシオンによる健忘

入院2日目、6時30分に起こされてラジオ体操。朝食・服薬が済み1日がはじまった。午前中は院内で作業療法の軽作業があり、みんなお小遣い稼ぎのため参加するのだが、入院したての僕はベッドの上でごろごろしていた。昼食・服薬のあとの暇な午後、同室の人たち…

登場人物のプロフィール

このブログは僕の恋愛・失恋から統合失調症の発症・精神病院への入院・退院後の生活などの体験を中心に書いていますが、途中から読まれる方のために登場する人物の簡単な紹介をします。名前は全て仮名です。このページは随時更新する予定です。 S:僕自身。…

文子に似たソーシャルワーカー

Nクリニックの紹介で訪れたT病院は、かなり古い精神科の単科病院、いわゆる「精神病院」だった。郊外の丘陵地にあり、開院当時は山の中にぽつんと建っていたようだが、今では開発が進み、周囲は瀟洒な高級住宅街になっている。古ぼけた3階建ての建物。窓に…

入院編どう書こうかな

今朝、文子が出てくる夢を久しぶりに見た。一緒にカレーライスを食べて、親しく話をする夢だった。夢の中の文子はいつまでも年をとらない。夢から覚めてしまうのが悲しくてしかたなかった。 一番書くのがしんどかった発病編が終わった。このブログを見てくれ…

人生の終わり

自分が正気を失っていると自覚した後も幻聴はおさまらなかった。みんなにテレパシーの能力があるという考えは否定できたが、自分の家系には特別にテレパシーの能力が備わっているのだと考えるようになった。母が若いとき精神病だったのだという妄想もその頃…

歩き続けた夜②

夜道を歩き続けるうちに、僕の精神はさらに昂揚していった。最初は人影を見ると遠ざかり、交番の前は迂回したりしていたのだが、次第に周囲が気にならなくなり、ずんずん歩いて行くようになった。僕は誰の注意も引かず、見とがめられもしないことが不思議に…