僕は統合失調症

30歳の時に発症した統合失調症の発病・入院・回復の記憶

ブログ『僕は統合失調症』のことなど

『僕は統合失調症

2006年~2007年に集中的に書いたこのブログも、更新をやめ閉鎖するでもなく休眠中のままずいぶん時間が過ぎた。その間にも訪問してくださる方があり、このまま残しておこうと放置していたのだが、柊さんから、久しくなかったコメントを頂戴したのがきっかけで、このエントリを書いてみた。

 

思えば、僕の統合失調症発症のときからしばらく隔たった回復過程の頃にスタートしたこのブログ。

 

プロローグの「恋愛編」は、失ってしまった恋愛の記憶を、細部が消え去ってしまわないうちに書き留めておきたくて、懐かしい気持ちで綴った。

 

「発病編」は、自身の統合失調症の発症の過程を、陽性期の症状をできる限りリアルに伝えようと、かなり自分を追い詰めて書いてみた。実際、当時このブログの読者でもあった主治医には「あんまりつらくならないように気を付けてね」と心配もされた。

 

「入院編」は、精神科病院に入院した3か月間の出来事を、断章的なエピソードでつないだのだが、時間をおいて読み返すと、あの時出会った人々のことが思い起こされ、今では痛ましくもいとおしい日々に感じられる。

 

「回復編」は、まだその頃の私には距離を置いて書くことが困難で、思うように像を結ぶことはできないまま、中断してしまった。

 

 

 

ブログ『僕は統合失調症』を休止した後も、様々なことを経験した。両親の死、アルバイト生活、友人と重ねた各地への旅行、発病期以来ようやく再開した音楽活動、度々の陽性症状再発の兆候など。

現在は病状は安定し、平穏な日々を過ごしている。維持薬として向精神薬は少量服用しているが、長年悩まされた不眠症状は解消し、睡眠薬は服用しなくなっている。

数年前からある女性と一緒に暮らすようになった。その生活により心の平静・安定を得られたことは大きく人生を変えた。

 

いつか、そのような「その後」のことを書いてみるかもしれないが、まだ先になりそうだ。今現在も『僕は統合失調症』なのであり、『僕は統合失調症だった』といえる日は来ないのかもしれない。