僕は統合失調症

30歳の時に発症した統合失調症の発病・入院・回復の記憶

入院編どう書こうかな

今朝、文子が出てくる夢を久しぶりに見た。一緒にカレーライスを食べて、親しく話をする夢だった。夢の中の文子はいつまでも年をとらない。夢から覚めてしまうのが悲しくてしかたなかった。


一番書くのがしんどかった発病編が終わった。このブログを見てくれた現在の主治医のK先生(素敵な女医さんである)からも、「妄想や幻覚の体験を書くのは無理しないでね。ぶり返したりということもあるかもしれないから」と助言をいただいた。幸い、当時のメモなどを元にして冷静に書くことができてほっとしている。

当事者でない方には不思議なことかもしれないが、妄想や幻聴・幻覚の内容というのは本人は鮮明に記憶しているものなのである。個人差はあるのかもしれないが、僕の場合、聴こえていた幻聴のフレーズまで今でも覚えているものがある。文章を整えるため、多少記述の前後関係などを整理した部分はあるが、発病編で書いたことは誇張のない事実と思っていただいてよい。現実にはさらに混濁した状態だったかと思う。

こうして客観的に自分の体験が捉えられるようになるまで、入院・退院・回復・再発などまだ長い時間の経過が必要だったのだが、現在は自分なりに急性期の症状を振り返れるようになった。


文章にしてみると改めて鮮明に自覚するのだが、僕の発病の原因は香織に対する僕の表層の気持ちと隠された意識のダブル・バインドにあるのだと思う。僕は彼女の浮気を許し、同棲する選択をした。しかし僕の本心は彼女を受け入れることができず、その深層の意識が他人のテレパシーという形で、自分自身の本音を吐き出させたのだろう。僕の心に聴こえてきた他人の声は、本当は僕自身の内なる声だったのだ。僕は心の底で、やはり文子のことを愛し続けていたのだ。

幻聴のような現象が起こること自体は、現在科学的に解明されつつある脳内伝達物質の異常によるものなのだろう。しかし、その異常の何らかの動因は発病の過程に様々な形で潜んでいるのだと思う。僕が、恋愛編を詳しく書くことにこだわったのも、僕の発病と恋愛・失恋の体験が不可分だと考えたからである。


これから入院編だが、自分自身のことだけでなく、僕が出会ったいろいろな人たちのことを、プライバシーに触れない範囲で書いてみようと思う。自分のことのようにストレートに全てをさらけ出せないので、ちょっと中途半端になるかもしれないが読んでいただく方にはご了解いただきたい。


こうしてブログをはじめてみて、予想以上のカウンターの伸びに正直なところ驚いている。全部を通して読んでいただいている方はどれだけいらっしゃるのだろうか?コメント投稿がないので通りすがりの方が多いのかなあとも思ったりする。


とりあえず、少し間を置いてから入院編をスタートします。